2021年05月29日

感染者急増に備えがなかった玉城県政の恐るべき無能


 県内の新型コロナ・ウイルスの感染拡大が過去最悪の状態となる中、5月28日付の沖縄タイムス紙に掲載された記事を読んで、衝撃を受けた。

 感染者数の急増に宿泊療養施設の確保が間に合っていないことは、すでに前々から指摘されていたことではあるが、「宿泊療養施設 逼迫続く」というその記事によると、現状はかなり深刻である。

 そもそも、宿泊療養施設の確保が感染者数の拡大に追いついていないことが大問題ではあるのだが、それでは、施設数をもっと増やせばいいのかといえば、問題はそれほど単純なものではない。ある意味では、施設数の絶対的な不足よりもさらに深刻な問題だと思われるのが、すでに確保されている施設の地域的なバラつきである。

 タイムス紙の記事によると、現在確保されている療養施設は、「那覇市内2カ所計260室、本島北部地区30室、宮古73室、八重山50室の計413室」だというのだが、そう聞かされて不可解な思いを抱かない県民は1人もいないのではなかろうか(もっとも、不思議でならないことに、この記事を書いた記者本人はそのような不可解な思いを感じていないように見受けられるのだが)。

 不可解というのは、なぜ、療養施設がこれほど那覇市に一極集中しているのか、本島北部に30室しか施設が確保されていないのはあまりにも少なすぎるのではないか、ということである。そして、本島中部や南部にもホテルがない訳ではないのに、なぜ、中部や南部では療養施設が確保されていないのだろうか、ということである。言い換えると、県はなぜ、本島北部の施設を増やさないのか、なぜ、中部や南部で宿泊療養のための施設を押さえようとしないのだろうか、ということである。

 この問題については改めて別稿で取り上げるつもりだが、こうした宿泊療養施設の地域的なバラつきのせいで、沖縄市や名護市に居住する感染者が、わざわざ那覇市内のホテルまで自分で足を運ばなければ、宿泊療養をすることができないという不条理極まりない状況が現実に起きているのである。しかも許し難いのは、このようなバカげた事態が生じていることは、すでに昨年中から指摘されていたことなのに、いまに至るも全く改善されることなしに放置されていたことである。

 これだけでも十分に腹立たしい限りだが、話はそれだけでは終わらない。この記事を読みながら最も怒りを抑えられないのは、「感染急拡大を受けて、県は〔療養者用宿泊施設の〕早期拡充の必要があるとして17日から公募を始めたが、まだ決まっていない」という一文である。

 全く冗談ではない。療養者の数が急増してから宿泊施設の公募をかけるのでは間に合うはずがないではないか。これではまるで、火事が起きてから大急ぎでホームセンターに消火器を買いに駆け込むようなものである。

 本当に信じられないような失態である。わたしはてっきり、県はあらかじめホテル業者との間で取り決めを交わし、療養者数に急増の兆しが見え始めたら、直ちに療養者を受け入れる体制に転換してもらえるようにしているものだと思い込んでいたが、実際には、県はそのような手筈は全く整えていなかったのである。それならそれで、早めに宿泊施設の拡充に動くべきはずだが、県がようやく重い腰を上げたのは17日になってからだというのである。

 愕然とするほかはないが、要するに、玉城県政は、今回のような県内での感染急拡大に対する備えを全くしていなかったのである。県としてやるべきこと、やれることをろくにしていなかったのである。

 こんな有様で、もしも今後、入院先も宿泊療養先も決まらずに自宅待機を余儀なくされていたコロナ感染者が、自宅で亡くなる事例が出てきたら、それは間違いなく無能な玉城県政による人災である。

感染者急増に備えがなかった玉城県政の恐るべき無能




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