2018年11月21日

玉城英彦名誉教授の異様な妄想


 琉球新報、沖縄タイムス両紙の論壇には、しばしば、常識の範囲をはるかに飛び越えた文章が掲載されることがある。

 長年鍛えられたおかげで、そうした文章を目にしても簡単には驚かない程度の免疫を身につけたつもりでいたのだが、11月19日付の琉球新報に掲載された「団結こそ沖縄の未来守る 琉球処分の歴史」という一文には、腰を抜かさんばかりに驚いた。

 おまけに、それを書いた玉城英彦氏が、名桜大学共同研究員・北海道大学名誉教授という肩書きの持ち主だということを知るに及んでは、なおさらに驚かされた。

 とはいっても、玉城氏が唱えていることの大半は特に目を引くようなものではない。
 ざっくりといえば、1879年の琉球処分は、500年にわたる独自の歴史を持った琉球国を武力によって併合した不当なものだったということ、そして、戦後の沖縄には日本国憲法が適用されず、全国の米軍専用基地の約7割を押し付けられている現状は、「2回目の琉球処分」にほかならないということが書かれているのだが、いずれも、ここ数年、新聞の社説、コラム、投稿文などを通じて、これまでさんざん聞かされてきたことの単なる繰り返しである。

 ところが、文章の結びまで読み進めて仰天した。次のようなことが書かれていたからだ。

「沖縄の米軍基地の最高指揮官は米国第一主義を唱えるドナルド・トランプ氏である。先日の中間選挙で米国民は彼の内政に対して『NO』をつきつけたが、彼を支持する根強い層を背景に、今後も予想しがたい外交を展開することが危惧される。

 米国内の防衛強化を優先し、同盟国でのプレゼンスを縮小して、また中国との貿易摩擦改善のため、沖縄の米軍基地の割譲・縮小あるいは沖縄の分割を言い出すかもしれない。つまり私は3回目の琉球処分を危ぶむ。

 私たちはこのような世界情勢の中で、分断・対立ではなく団結して沖縄の未来を展望しなければならない」

 驚くべきことに、どうやら玉城氏は、沖縄がいまだに米国の占領下にある(あるいは、沖縄は米国領になっている)とでも思い込んでいるらしい。

 文脈から明らかなように、玉城氏は、米中経済摩擦を改善させるために、米国が沖縄の米軍基地を中国に割譲したり、中国に沖縄の分割を持ちかけるかもしれない、といっているのである。

 しかし、そんなことが起きる可能性はゼロである。

 なぜならば、沖縄に米軍基地が存在しているのは、日米安保条約に基づき日本が同意しているからであって、それを米国が勝手に中国に割譲する権利などないからである。いわんや、日本の領土である沖縄を米国が勝手に中国と分割することなどできるはずがないからである。

 こんなことは中学生でも知っている道理だが、世間にはそれを知らない大学名誉教授というものが存在するのだ。

 玉城氏がどのような分野で業績を上げられたのかは皆目存じ上げないが、いやしくも、大学の名誉教授という肩書きをお持ちの方が、これほど世間の常識からかけ離れたことを新聞に投稿などして、本当に大丈夫なのだろうか。このレベルになると、ことは玉城氏個人の名誉ばかりでなく、名桜大学や北海道大学の体面にもかかわるようにも思えてきて、他人事ながら、心配になってくるほどである。

 それにしても、これほど現実認識がズレた文章を論壇に掲載する琉球新報も、一体どういうつもりなのだろうか。もしかすると、名誉教授というご立派な肩書きの持ち主が書いたものであれば、ほとんど妄想といってもよいほどに現実離れしたものであっても、必ず掲載するという編集方針でもあるのだろうか。



玉城英彦名誉教授の異様な妄想




Posted by HM at 14:06│Comments(0)
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